児玉 千恵子

2019 14 Dec

時代は、前へとスピーディに進んで、商いも止めることはできないから・・・  第173回「商いの実学・遊学・雑学」

 乾いた空気の陽だまりを、窓越しに眺めながら、お手製のバジルソース (バジルの葉を、オリーブ油と塩こしょう、砕いたカシューナッツと一緒にミキサーにかければ完成)を作る師走の休日・・・。
 クラッカーに、トマトとモッツァレッラチーズを挟んでバジルソースをかければ、夕食までの小腹を満たしてくれるカナッペになる。
 令和になって初めての歳末だが、夏から、台風・豪雨・水害にみまわれ、秋があっという間に過ぎ去ってしまったと感じる方も多いだろう。
 また、信じられない事件があった。
首里城 M.KODAMA 撮影 痛ましい京アニの放火事件の衝撃も癒えないうちに、世界遺産の「首里城」が、瞬く間に灰になってしまった。おめでたい天皇の即位礼やお祝い儀式の 余韻が続く日々の中で・・・。
 沖縄の人々にとって、そのお城は戦後の復興シンボルだったし、修学旅行生や県外からと訪日客が、いにしえの琉球王朝へと思いを馳せる貴重な名所だった。
 ふり返れば、99年から10年以上にわたり、公的機関や沖縄の民間企業からの要請で、年に4、5回ほど、研修会や講演に出向き、製造業・各種の組合、小売店へのリテールサポートに伺ったので私の胸も痛んでいる。
 その貴重な建造物は、風土の色という視点で見ると、首里城の「赤」は神秘的で、えもいわれぬ格調高い濃い朱赤の存在だった。
 琉球王朝の格式と伝統の礎に、大陸からの文化、本土からの文化、台湾をはじめとした東南アジアの文化、米軍基地からのエッセンスが添加された、 チャンプリーな独特の色を醸し出していた記憶がある。
 時代は、前へとスピーディに進んで、商いも止めることはできないから、来年の第32回オリンピックを希望の糧にして、歳末商戦を盛り上げていきたい!
 各地では、「おせち」や「クリスマスケーキ」の予約がラストスパートに入っている。
 甘いスィーツや、美味な「グルメ」を食すと、多くの人々が笑顔になれるものだ。
 衣服関連では、本格的なセールの前に、「プレセール」も、年々前倒しで盛んになってきている。
 プロパーでも「価値のある服」、例えば、色や素材、スタイルが、お金を払うに値するなら、12月に入っても購入につながっている。
 例えば昨今でも、著名な欧米発のラグジュアリーブランドの場合、お気に召した服やバッグがあると、値段を気にせず、 見もしないでお買上げになる方々が、予想外におられる。・・・(本文冒頭より)・・

 「ストアーズレポート」2019年12月 児玉千恵子書き下ろし連載第173回「商いの実学・遊学・雑学」は、『人々の手にウィンターギフトがきらめく街角の冬空』!

 今月の「閃きの伝言板」では、大型店や百貨店では、12月をまたずして創意工夫を凝らした催事が盛んに行われていたが、 各地の地域おこし高原の集い海辺のフェスティバルを深掘りするほか・・・

 ◇絶妙なプレスリリースユニクロと40年代に初めてジーンズをはいた女性・アイリス・アプフェル
 ◇ 豹柄が似合う女(ひと)~美しく年輪を重ねて今なお現役のカトリーヌ・ドヌーヴ是枝裕和監督がメガホンをとった『真実』は、 「多様性」を受け入れることのしなやかさを・・・。

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