上野 君子

2018 15 Jul

加齢による夏の服装の悩み

冬はいいが、夏が困る。

身に着けるもののことだが、ここでお伝えしたいのは見た目に似合わないものが増えたというのではなく、あくまで体質からくる機能性の問題。

これは当事者になってみないと分からないし、ほとんど言われていないのではないだろうか。

 

50代はまだよかった。60歳を過ぎてから、着られないものがめっきり増えた。

ノースリーブ(肩を出すと冷える)、素足にサンダル(足も脚も冷える)。足首の見えるパンツも苦手。

さらに風通しのいいスカートやワンピースというのも場を選ぶようになった。少しでも冷房が入っていると、冷えて具合が悪くなるのだ。

足元やお腹はもとより、以前と違うと思うのは、太ももの前側に妙に冷えを感じるようになったこと。

 

私は典型的な冷え性体質である。日本女性の数割は冷え性だと思うが、逆に暑くて暑くて仕方ないという対極の体質も結構いらっしゃる。

ただ冷え性というのは日本人特有の体質らしく(体温が低い)、欧米人にもアジア人にもまったくいないことはないだろうが稀のよう。極端に室内の冷房が効いていて、外は年間高温多湿が続くようなアジアの都市では私は生きていけない。

 

乗り物の中の冷房にいつも悩まされている私だが(それは相当のストレス)、先日、パリからの帰路、エアフランスのCAさんと話していたら、日本人からは寒いといわれ、フランス人からは暑いといわれると、機内の温度調整がいつもミーティングで課題にあがるらしい。

パリの女性たちは、どんな体型であっても、夏となると思いっきり脚を出しているのにいまさらのように感服した。胸元も背中も。

 

また、オバサンは派手な色が好き、花柄プリントが好き、化粧が濃いと昔からよくいわれる。

加齢とともに顔映りのいいものを選びたいとか、顔のアラを隠したいというのもあるかもしれないが、要は眼が見えなくなってきたのだ。

遠くはよく見えていた私だが、最近は近くも遠くも中間も、すべてがボンヤリしてきた。これは一種の恐怖。動作も慎重にならざるを得ない。

化粧するときに自分の顔がよく見えないというのも困る。眼鏡をかけながら化粧はできないから。

 

以上、「おとな」の女性を対象にした婦人服ブランドのご参考まで。