久保 雅裕

2018 16 Jun

人口という力で圧倒するかもしれない恐さを感じた

今回は中国・紹興市にある巨大な生地市場・中国軽坊城と上海ネタ。

5月下旬、杉野学園が提携している中国・寧波市にある浙江紡織服装職業技術学院・中日コースの集中授業に赴いた。100分授業を15回というハードな5日間でこっちも大変だが、ずっと筆者と向き合って授業と試験を受ける学生もさぞかし苦痛だろう(^-^;。

さて、その学生たちと連れ立って、車で1時間半ほどの都市、あの紹興酒で有名な紹興市にある中国最大級の生地市場「中国軽坊城」を訪ねた。約1キロに渡って幾つかのビルディングが並び、約16000店が入居。1日10万人が訪れ、成約額は1兆円に届くと言われている。なかにはロンドン、ニューヨーク、パリ、ミラノ、香港の名を冠した通りがあるビルもある。だからと言って傾向が定まっている訳でも無さそうだ。「気分は」といったところか?

綿の先染めシャツ地やウール系、プリントもの、ジャカードの凝ったものやレース、刺繍の豪華な生地まで選り取り見取りだ。学生たちは、卒業制作に向けての生地選びや創作への刺激をもらって帰路についたようだ。巨大な規模感に圧倒された1日だった。

さて集中授業終了後、上海へと移動し、久しぶりに繊研新聞の田中一郎上海支局長を訪ねた。上海マート内に入居し、なかなか環境も良さそう。

その後、新天地時尚SC内のデザイナー系セレクトショップをいくつかチェック。日本ブランドも結構入っていて、品揃え、接客とも欧米と遜色無いレベルだった。中山公園のコルソコモもリサーチ。一般的なSCの店が言わずもがなの残念な接客レベルがほとんどだが、この点でもレベルアップが図られていることを実感した。残念ながら寧波市には、このレベルの店は見つけられなかった。

ちょこっと散歩がてら、モダンアートをテーマとした「上海多倫現代美術館」と食肉加工場跡地をアーティスティックなスポットへと変容させたビル「1933老場坊」も見学。1933は、集団モデル撮影会の現場と化していたが。

年に一度の中国出張だが、盛り上がっている「上海ファッションウイークを見に来なければいかんな」と決意を新たにした次第だ。