武田 尚子

2018 20 Feb

世界から熱い視線集める日本の技術

 

機能性とデザイン性の融合――長い間ずっといわれてきた、インナーウエアにおける永遠の課題。これは近年のスポーツトレンドとも相まって、ますますその絆を深くし、進化している。まさにイノベーション(革新)とクリエーション(創造)は限りなく一体化を見せているといってもいい。

 

今回のパリ国際ランジェリー展でそれを象徴していたのは、素材のアンテルフィリエール展に出展していた日本の繊維企業、セーレンの存在だ。

パリの展示会は、昨年7月のモードシティ展(INNER通信でも紹介)に続き2回目。出展を重ねている上海では、昨年10月の同アンテルフィリエール展で、ハイテク部門のアワードに輝いた。アジアでは徐々に基盤を固めつつあることもあって、次はいよいよヨーロッパ市場に本腰という段階に来ている。

 

今回も主力に打ち出されていたのは、同社独自技術によるVISCOMAGIC(ビスコマジック)。フロッキーやオパール、ベロアなど、多彩なデザイン変化にひかれて手にとると、その柄は同時にサポート機能の調整も担っていることが分かる。世界から集まってくる業界のプロたちがその技術に感動する。

ベースとなる素材も、シングルラッセル、トリコット、丸編と、多様なニーズに対応でき、体の部位に合わせたパワーコントロールもデザインも自由自在。

コンプレッションウエアをはじめとするスポーツウエアにも、ヨーロッパで「シェイプウエア」と呼ばれる体型補整機能に富んだファンデーションやそれ以外のインナーウエアにも、用途は幅広い。

 

ある意味で快適性全盛ともいえる市場において、次に来るもののアイデアがここに詰まっている。

 

 

 

 

 

 

 

ブース内には、機能をビジュアルに伝えるデモ機のコーナーも。

樹脂で発熱するHEAT POINT(シート販売)と、冷却効果が持続するICE BLAST

 

右から3人目、セーレン㈱スポーツ・インナー第二販売部インナー販売課の塩田課長に話を伺った