繊維ニュース 編集部ブログ

2017 07 Dec

老舗が今に息づく

 【東京本社】先週、東京国際フォーラムで開かれた「プレミアム・テキスタイル・ジャパン」。同展に米沢産地のクレッシェンド・ヨネザワ(粟野商事)が出展(写真)した。粟野商事が高い技術を持つ地元の織元と20年ほど前に立ち上げたのがクレッシェンド・ヨネザワ。粟野商事そのものは米沢織の産地問屋として1895年に創業し、高品質の和装用織物を手掛けるが、クレッシェンド・ヨネザワはストールを中心に展開する。

 地方紙の「山形新聞」は11月20日付の「これぞ老舗~やまがたに息づく」シリーズで、粟野商事を取り上げた。初代の粟野甚助氏が、実家の呉服店から独立し、米沢で集めた男性用帯を荷車に積み、東北や北海道の呉服店に売り歩いたという歴史を紹介した。道中は盗賊の被害を心配したというのも、明治中期らしい。

 最近は普段着着物の魅力を広めるため、イラストレーターとコラボした手頃な価格の米沢織ブランド「いまのいろ・スカラ」を立ち上げて好評のよう。クレッシェンド・ヨネザワも最近は他産地とのコラボストールを開発し、もはや日本中がひとつの産地と考えている。(康)