船橋 芳信

2018 20 Jul

柳亭燕路師匠 ミラノ七夕落語会

柳亭燕路師匠をお迎えして、ミラノ七夕落語会が、発足した。

第一回落語会が、7月7日ミラノ裏千家茶道道場にて行なわれた。

日本人学校に通うミラノ生まれの日本人の子供達に向けた落語を、師匠にお願いして、演じていただいた。

20名近く集まった子供達を前に、話芸の愉しさ、笑いの心地良さ、笑いの奥深さを、日本語の特性とともに語り、

上座に子供を招いて師匠の物まねをさせながら、子供達に小咄をさせては、満場の我々を笑わさせてくれた。

腹を抱えて笑う子供達、話芸の、落語のパワーは、底知れない。

 さて、いよいよ大人向けの落語が始まると、師匠の顔つきも、やや大人向けに変り、

夏の落語、番町皿屋敷が始まった。奉公先の主人の持つ、大切な皿が失われ、その非を問われて

非業の死を遂げたお菊の、怨んで出る幽霊話である。

 井戸に身を投げたお菊、いちまーい、にまーい、、、燕路師匠は江戸落語、江戸弁を使いこなし、

折しも裏千家の茶道道場は、江戸のお座敷落語の空間と同じだそうで、師匠も大満足、聴いている我らも、

目の前で聞く落語、声、発声、と響きのある声の大きさに驚かされた。其の話芸の微妙なテクニックにも

息の間の使い方、話の抑揚、落語とはこんなにも難しいものかと、笑いながら感動した。

 翌日、我がアトリエコンサートに、着物姿で現われた燕路師匠に、イタリア人達が群がった。

なんとエレガントなあの日本人は?

落語家の説明がうまくイタリア語で説明出来ぬもどかしさを覚えながら、

完璧な着物姿は、アトリエコンサートの華になったようである。